結婚という幻想[ゴーン・ガール]
本を読んだり映画を見たりするとき、事前に調べないことが多い。ファーストインパクトが大事。
タイトルやジャケットから、(こういう映画っぽいな)と想像し、レビューの点数だけ一応チェックして選ぶ。
これは、ジャケットに映る空が意味深で美しい。たぶんサスペンスかな。ヘビーだけど面白い的なことがどこかに書いてあった。というイメージで選んだ映画。
ホラー、だよね。
お化けが出てくるわけじゃないけど、「怖い怖い怖い」って毛布にくるまったよ。
展開が大事な要素になっているので、ネタバレしないように書きたいわけだけど、ネタバレしないと謎かけみたいになっちゃう。
夫婦という一対一の閉じた人間関係の中で向き合うことの難しさと危うさと夢、みたいなものが一部描かれてる。(途中からは、それ夫婦とかの問題じゃないし、ホラーだし、端から言わせてもらえばそういうの良くないよ、みたいな展開になってくるけど。)
結婚幻想の重みに自分がピンと来ない理由は、結婚してないからか、それとももっと現実的な問題を目の当たりにしてきたからか、といろいろ考えた。結婚に限らず、家族でも親友でも人間関係では多かれ少なかれ支配関係が入ってきて、マウンティングが行われ、争いがある。問題はその分量や方法やコントロールである。裏からあやつるようなやり方や、強引に押さえつけるような方法は破綻につながりやすく、よくない。じゃあどうすればいいのかというと、根本的な解決がわからない私としては、こう思います。
ちょっと外に出れば、なんとかなる…かな…
一対一だから息が詰まる。距離が近いから窮屈だ。身近だから傷つけ合う。別居しろと言うのではなく、けんかになったら散歩に出るとか、趣味の時間を作るとか、ゴーンガール的に言えばNYに戻るとか。結婚生活の中と外を出入りできれば、いいんじゃないでしょうか、一時しのぎだけど。愛や欲望はそれをゆるさず、憎らしいけどそばにいたい、自分のようだけど他人、という相反するものを抱え込むから複雑なのだとわかってるけど。わかってるからあんまり抱え込みたくないなあ、と思う独身者の、残った夢をむしり取る、そんな映画です、ホラーですね。
サスペンスとしてもハラハラできて面白いけど、血が出たりするので苦手な人は注意!
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