flower-of-days

本のことなど

自分のスマホ依存について考えていたときに思ったこと

スマホを手にしてから、パソコン時代よりもっと、ゼロとイチの世界に身を浸して生きてきたような気がする。それは簡単に言えば文字情報であり、文字によって形作られる想像上の空間や概念やコミュニケーションだった。


でも、この頃、それが間違っているとは言わないが、ずいぶん余分なことに時間を費っているようにも思えてきた。


スマホから意識的に目を離すと、視界に、白いカーテンのひだが映る。 部屋の灯りが照らし、微細な凸凹がある。自分が絵を描こうとしても描けない繊細な造形だけれど、誰もカーテンの凹凸を描こうとしない。


頭の中に膨大な文字を詰め込むことのほかに、世界の繊細で多様な手ざわりを視覚から味わうこともできる。そのことを忘れて生きるのは、勿体ないように思う。


今の私たちに不足しているのは、手ざわりから得られる「確からしさ」ではないか。一秒で削除できる文章で遊び、文章を競って頭に流し続けるよりも、身体的に周囲の世界と関わることの方が、少なくとも私には大切であるように思えた。