酒を飲む季節
最近うすうす分かってたんだけど、年を取るっていうのは、ワクワクな未来より過去の手痛い思い出に目が向いて、酒を飲むたびおセンチになる、それが加齢だ。
少し前までは、飲んでへべれけで帰宅し音楽をかけて踊る、と陽気な酒を飲んでいた気がするけど、ここ数年はしんみりするようになった。
酔った状態で本気で書いたメモなどを素面で見ると、意味がわからない。
今、少し酔っている。
なんとなく失恋したような泣きたい気分になっている。
でも、失恋、してない。
年度の入れ替わりに仕事仲間が遠くに異動したこと、大切な出会いだったけど二度と会わないかもしれないこと、その沈殿した寂しさがアルコールで顕在化したのかもしれない。
寂しいよ、と思えば、昔の寂しかった気持ちや、遠くない未来の先取りした寂しさが、一緒に立ち現れる。
寂しいよ、花に嵐のたとえもあるが。
そういえば、遠く去った人が、争いは土地を燃やし尽くすけれど、新しい風や芽吹きを呼び込むものでもある、というようなことを言っていた。それを聞いた時、目が開かれる思いだった。
花を散らす嵐も同じだろうか。